【随処作主 立処皆真】

禅語に学ぶ 2021.01.01

《マネジメントに活かす禅語》No.1

【随処作主立処皆真】

(ずいしょさくしゅりっしょかいしん)

何のために忙しく働いているのか・・・
将来的には独立したいのだけど、
どうしたら良いのか・・・

 

相談者 42歳 会社員

 

Q: 社長が魅力にひかれて
   今の会社に入って3年になります。
   
   最近は仕事が忙しく、
   家族と過ごす時間もありません。

   
   
   将来的に独立したいと思っていますが、
   今はその実力もありません。


   
   ただ今の会社で働いていると
   忙殺されて時間だけが過ぎていきます。


   
   もっと人間らしい生活がしたいです。

 

   このままで良いのか、
   漠然とした不安と焦りがあり、
   夜も熟睡できないときがあります。
   

   どうしたら良いでしょうか。
   

   何かアドバイスをお願いします。



「今いる場所で
本当に全力を尽くしたか?」

 

禅メソッドマスターの
幸知 輝(僧名:幸覚)です。

 

仕事に忙殺されて
家族と過ごす時間が
とれない・・・

 

会社員なら誰しも経験する
お悩みかと思います。



でも、そんなときは、

選択肢は二つしかありません。

 

・その状況から逃げるか?
・解決するために立ち向かうか?

 

冷静に考えると、当たり前ですよね。

 

人生は、
その選択の連続です。

 

今までも、
その選択をしてきた結果
今のあなたがあります。

 

今回も、
その選択の機会ですね。

 

もちろん私も
これまで幾度となく
その選択をしてきました。

 

一番印象に残っているのは
ヨーロッパへの赴任を
打診されたときです。

 

ちょうどその頃、
父が営む家業の
行く末が怪しくなっていました。


上司には、夏休みに両親に
相談したいとお願いしたのですが、


「それまでは待てない、
明日返事がほしい!」

と言われました。



「それでしたら、お断りします。」


と即答してしまいました。

 

でも、今思うと、
本心は家族のせいにして
断りたかっただけなのです。

 


”弱っちい奴”

 

だったんです。

 

英語もしゃべれないし、
海外に住んだこともないし…。

 

ただただ
恐かっただけなんです。

 

逃げたんですよ。

 

頭で考える前に
身体が反射的に逃げた。

 

じゃあ、

”本当にそれで良かったのか?”

と、今から振り返ると


『そこでチャレンジしていたなら、
全然違う人生になっていたかもしれないな』

と思う自分もいるわけです。

 

逃げるのがダメって
言ってるんじゃないですよ。

「逃げるが勝ち」


ということもあるし。

 

どっちが良いとか、悪いとか
そういうことではなく、



自分自身に問いかけてほしいのは

 

今いる場所で
本当に全力を尽くしたか?

 

ただそれだけです。

 

その問いに


YES!

と自信を持って言えるなら、
新たなチャレンジに
進んでみるのも良いでしょう!



「随処作主、立処皆真」

(ずいしょさくしゅ、りっしょかいしん)

という禅語があります。


今置かれた環境で、
自分が主人公となって
精一杯取り組みましょう。

そうすれば、どんなところでも
自分がいるところが真実となり、
道が開けていく】

 

というような意味です。

家族と過ごす時間を
作り出すために、
まだできることがあるならば、
それを全力でやってみる。

 

例えば次のようなことで出来ることは
まだ、ありませんか?

・断れるものは断る

・優先順位を見直してみる

・納期を調整する

・仕事の効率を上げる

・業務を細分化する。

・他人に頼めるものは頼む

・月に1日は強制的に休む  

などなど。

 

もし、取り組んでいないことが

1つでもあれば全力で取り組むことで、
解決策が開けてくるでしょう。


きっと、将来独立するときにも
その経験が役立つと思います。

 


もう一度
自分自身に問いかけてみて下さい。

 

今いる場所で
本当に全力を尽くしたか?

 

道は自分で切り開くものです。



禅メソッドマスター
幸知 輝(僧名:幸覚)